パワハラやモラハラ、セクハラは職場で起こりうるハラスメントとして有名です。
しかし、今やハラスメントの種類はかなり増えていて、「それもハラスメントなの?!」というものまであるんです。
そこで今回は 職場で起こりうる25種類のハラスメントを紹介していきたいと思います!
知らず知らずのうちに加害者になってしまわないためにも、ぜひチェックしてみてくださいね!
ハラスメントとは
「ハラスメント」とは、相手を不快にさせる行為や嫌がらせのことを言います。
1980年後半頃から「セクシャルハラスメント」という言葉をよく耳にするようになりましたよね。
そして、1997年の男女雇用機会均等法の改正によって「セクハラ規定」が設けられ「セクシャルハラスメント」という言葉の定義が確立されるようになりました。
以前から職場や学校をはじめとして、さまざまなコミュニティ内で潜在していたハラスメントが、セクハラが認知されたことをきっかけに表面化してきたと言えるでしょう。
職場で起こりうるハラスメント25種類
ハラスメントの種類①
「セクハラ」セクシャルハラスメント
相手を不安な気持ちにさせたり、不快な思いにさせる性的な発言や行為のことです。
- 肩に手を置く
- 頭を撫でる
- 髪の毛に触れる
- 身体のことを言う
- いやらしい目で見る
- 性的関係を強要する
- ホテルに誘う
などがセクハラに該当し、被害者のほとんどは女性です。
ハラスメントの種類②
「セカハラ」セカンドハラスメント
セクハラ被害にあった被害者が、勇気を出して相談したのにも関わらず、相談したことがきっかけで会社側から二次被害を受けるハラスメントのことで、会社側がメンツを気にして被害者を非難する悪質なハラスメントになります。
- 問題を処理しない
- 被害者にも非があると思わせる
- 黙っていることを強要する
- 被害者側を異動させる
このような隠蔽的なハラスメントがある限り、セクハラ問題もなくなることはないでしょう。
ハラスメントの種類③
「パワハラ」パワーハラスメント
同じ職場で働く人に対して、職務上の地位や役職などの力を利用して、業務の範囲を超えた精神的・身体的な苦痛を与えることです。
「上司から部下」「先輩から後輩」という関係性で行われることが多いですが、人間関係上の優位性を持った部下から上司に行われるケースもあります。
- 殴る、蹴るなどの身体的な攻撃
- 1人だけ別室に移される
- 通常業務外の草むしりをやらされる
- 同僚の前で必要以上に叱責される
こういった行為もパワハラになります。
ハラスメントの種類④
「モラハラ」モラルハラスメント
モラハラは肉体的なハラスメントでなく、言葉や態度などによって精神的なハラスメントを継続的に行うことです。
また、外部から見えない「嫌がらせの隠蔽」が行われるのもモラハラの特徴です。
上司だけでなく同僚や恋人、配偶者、教師などから無視されたり、努力を正当に認めてもらえなかったり、常に怒られプレッシャーをかけ続けられることで自信を無くしたり、恐怖心に苛まれることが多いです。
「精神的な暴力」「精神的な虐待」とも解釈することができ、悪化すると被害者が自ら命を絶つほどに追い込まれる場合もあります。
ハラスメントの種類⑤
「ジェンハラ」ジェンダーハラスメント
「男らしさ」「女らしさ」を強要するハラスメントです。
性的なハラスメントになりますが、セクハラとは異なって、一般的な「男らしさ」「女らしさ」の物差しから外れた行為を非難して被害者をいじめることがジェンダーハラスメントの特徴です。
「男なのにくよくよして女々しい」「女なのによく食べる」など、性別に関する偏った見方が引き起こすハラスメントと言えるでしょう。
- 体力仕事を男性社員だけにやらせる
- お茶汲みを女性社員だけにやらせる
このような行為もジェンダーハラスメントになりますし、同性愛者に対するハラスメントもジェンダーハラスメントになります。
ハラスメントの種類⑥
「アルハラ」アルコールハラスメント
飲酒に関するハラスメントです。
- 罰ゲームをはやし立てる
- 上限関係を利用して飲酒を強要する
- 体質や体調・意向を無視して飲酒を強要する
- 一気飲みをさせる
- 意図的に酔い潰させる
このような行為がアルコールハラスメントになります。
また、飲み会で「お酒以外の飲み物を用意しない」など、お酒を飲めない人への配慮がないこともアルコールハラスメントになります。
アルコールハラスメントは急性アルコール中毒に繋がるケースもあり、数あるハラスメントの中でも直接命に危険が及びかねない危険なハラスメントです。
ハラスメントの種類⑦
「カラハラ」カラオケハラスメント
立場を利用して、カラオケで歌いたくない人に無理やり歌を歌わせるハラスメントです。
普段、カラオケで歌わない人に対して「お前も何か歌えよ」と言えばカラオケハラスメントになってしまう可能性があります。
ストレス発散として親しまれているカラオケですが、歌が得意でない人や人前で歌うことが恥ずかしいなどの理由でカラオケが苦手な人も意外と多いものなのです。
ハラスメントの種類⑧
「テクハラ」テクスチュアルハラスメント
文章上の性的なハラスメントのことで、現状では女性を対象に行われる性的なハラスメントとされています。
- 女なのにこんな文章をかけるはずがない
- 女性筆者Aに対して「Aは男である」
このような言動がテクスチュアルハラスメントになります。
ハラスメントの種類⑨
「スモハラ」スモークハラスメント
喫煙者が非喫煙者に対して行うハラスメントのことです。
- たばこの煙を吹きかける
- 非喫煙者に喫煙を強要する
このような行為がスモークハラスメントになります。
喫煙者の近くにいるだけで服に匂いがついてしまいますし、人によっては咳が止まらなくなったり、目が痛くなることもあります。
また、喫煙者が勤務中にとる「一服」の休憩時間が非喫煙者の休憩時間よりはるかに多い場合も、スモークハラスメントになる可能性があります。
ハラスメントの種類⑩
「ブラハラ」ブラッドタイプハラスメント
血液型が与える印象で、その人の性格や人柄を決めつけるようなハラスメントのことです。
いわゆる血液型占いの影響が大きく、一般的には「A型は几帳面」「B型は自己中心的」「O型は大雑把」「AB型は変わり者」などといった決め付けがあります。
血液型に科学的な根拠がないのにも関わらず、このような血液型の分類による決め付けや偏見がハラスメントに繋がるケースがあるのです。
ハラスメントの種類⑪
「リスハラ」リストラハラスメント
リストラ対象者に対するハラスメントのことで、パワハラの一種として認識されています。
リストラ対象者に仕事に関する無理難題を押し付けたり、急な人事異動で臨まない部署へ異動させたり、窓際部署への移動を命じることでリストラに追い込むようなハラスメントになります。
ハラスメントの種類⑫
「テクハラ」テクノロジーハラスメント
パソコンやスマホなどのハイテクノロジー技術に詳しい人が、そうでない人にするハラスメントのことです。
例えば、コンピューターに疎い人に対してわざと専門用語を使ったり、「こんなに簡単なこともできないの?」とプレッシャーを与える行為がテクノロジーハラスメントになります。
業務に必要なスキルを身に付けるのはとても大切なことですが、そのスキルを武器に継続的に相手を追い詰めてしまえば、心身に悪影響を与えることになってしまうでしょう。
ハラスメントの種類⑬
「エレハラ」エレクトロニックハラスメント
電波や電磁波といったエネルギー媒体による攻撃やハラスメントのことです。
例えば、低周波の音波は浸透性が低く防ぐことが難しいため、人間の神経に作用して痛みや耳鳴り、けいれんなどの作用を及ぼすと言われているんです。
ハラスメントの種類⑭
「エイハラ」エイジハラスメント
主に年上の社員を馬鹿にしたり、ないがしろにするハラスメントのことです。
例えば、「上司の指示は聞くけど、上司と同期の役職についていない年上社員は無視する」というのがエイジハラスメントになります。
また、「年なんで、ムリしないでください」という言葉も「あなたはもう必要ないから」という気持ちで言っているのであれば、明らかに相手を軽んじているのでエイジハラスメントになります。
しかし、このハラスメントは若い社員が被害者になることもあります。
能力があるのに、見た目の良さに嫉妬されて望まない仕事を割り振られる若い被害者もいるんです。
このような「こいつはまだ若いから仕事ができない、スキルがない」という先入観もエイジハラスメントになります。
ハラスメントの種類⑮
「スメハラ」スメルハラスメント
匂いによって他の人を不快な気持ちにさせるハラスメントのことです。
体臭や口臭が一般的ですが、匂いのきつすぎる香水や柔軟剤もスメルハラスメントを引き起こす原因になる場合があります。
最近の香水や柔軟剤は、少量でも十分な効果があるので付けすぎ・使いすぎは禁物です。
自分は良い匂いに包まれているつもりでも、周りからすると耐えられない強烈な匂いであることもあるので十分に注意しましょう。
ハラスメントの種類⑯
「エアハラ」エアーハラスメント
空調に関するハラスメントのことです。
例えば、節電を理由に猛暑日でもエアコンの使用を禁止し、それが原因で体調を崩してしまえばエアーハラスメントになってしまいます。
また、男女や個人では体感温度に差があるため、寒がる周囲の声を無視してクーラーの温度を下げる行為もエアーハラスメントになってしまいます。
ハラスメントの種類⑰
「ソーハラ」ソーシャルハラスメント
主にFacebookやTwitterなどのSNSに職場の上下関係が持ち込まれ、トラブルやストレスになるハラスメントのことです。
- 職場の部下に友達申請をせまる
- 「いいね!」を強要する
- 執拗に「いいね!」を押す
- 監視しているようなプレッシャーを与える
このような行為はソーシャルハラスメントになってしまいます。
上司や先輩として部下や後輩と仲良くしたいと思っている場合でも、立場が下の人は「必要以上にプレッシャーを感じている」ということを理解しておかなければなりません。
ハラスメントの種類⑱
「マタハラ」マタニティハラスメント
妊娠や出産、育児を機に行われるハラスメントのことです。
- 解雇を迫る
- 会社の「お荷物」扱いする
- 残業を強いる
- 早退時に嫌味を言う
- 減給や降格処分する
- 堕ろすことをすすめる
このような言動がマタニティハラスメントになってしまいます。
厳しい言葉を浴びさせられることで、妊娠することそのものに罪の意識を持ってしまう女性もいます。
また、中にはマタニティハラスメントが原因で体調を崩し、流産してしまう人もいます。
ハラスメントの種類⑲
「マリハラ」マリッジハラスメント
独身者に対して特に結婚に触れる軽率な発言をするハラスメントです。
「なんで結婚しないの?」「まだ結婚しないの?」「そんなんだから結婚できないんだよ」といった発言は相手を不快にさせます。
また、「独身なんだから残業する時間あるだろう」という発言もマリッジハラスメントになります。
独身者をからかったり、独身でいることに引け目を感じてしまうような発言には気を付けましょう。
ハラスメントの種類⑳
「パタハラ」パタニティハラスメント
イクメン・イクパパに対するハラスメントのことです。
育児の時間を取ろうとすると「育児は女性がするもの」という固定概念を押し付けてハラスメントをしてくるのです。
- 社内評価を落とす
- 育児休暇を取らせない
- 育児を妻に押し付けることを強要する
- 出世の道を閉ざす
- 転勤を求める
このような言動がパタニティハラスメントになってしまいます。
近年では共働きの家庭も増えてきていますから、子育てに率先する父親に対する理解が求められていると言えるでしょう。
ハラスメントの種類㉑
「ラブハラ」ラブハラスメント
恋愛に関するセクハラやモラハラの1種です。
例えば、恥ずかしい思いをさせようとして恋愛経験の少ない人に、大勢の人がいる前で話を振る。
経験が少ないということを人としてダメなことだと言わんばかりに責めたり、恋愛話を聞きたくない人に自分の恋愛観を語ったりすることもラブハラスメントになります。
恋愛というプライベートな部分を公の場で無理矢理話させたり、恋愛事情を必要以上に探るような行為はプライバシーの侵害にもなるので注意しましょう。
ハラスメントの種類㉒
「パーハラ」パーソナルハラスメント
容姿や癖、個人的な趣向やプライベートでのパーソナル面について行われるハラスメントのことです。
単純に相手のことを「ブサイク」呼ばわりしたり、個性的な性格の人に対し「変な人」というレッテルを貼り、不当に扱うこともパーソナルハラスメントになってしまいます。
ハラスメントの種類㉓
「レイハラ」レイシャルハラスメント
人種差別的なハラスメントのことで、外国人やハーフを差別することを指しています。
特にアメリカではセクハラと並ぶ一般的なハラスメントとして認知されています。
日本でも特定の国に対する偏見や、ハーフであることを理由にいじめをしたり、不当な扱いを受けることがありますが、まさにそれこそがレイシャルハラスメントなのです。
ハラスメントの種類㉔
「ジタハラ」時短ハラスメント
時短ハラスメントは、会社が具体的な業務改善をしないまま、労働者に業務の切り上げを迫るハラスメントのことです。
- 仕事が終わっていなくても定時に帰らないといけない→仕事が終わらず取引先に迷惑をかける
- 会社で残業ができなくなる→仕事を家に持ち帰る
労働時間が短くなったのにも関わらず、業務量が変わらなければこのような事態を招きかねません。
ハラスメントの種類㉕
「オワハラ」就活終われハラスメント
企業が就活生に対し、内定と引き換えに就職活動を終わるように迫るハラスメントのことです。
最終面接で「うちで採用するから、もう他社の面接は受けるな」というプレッシャーを与えたり、「うち以外はあなたなんて採用しないだろう」とパワハラまがいな言動が伴う場合もあります。
「内定もらえなかったらどうしよう」と不安に思う就活生の心に付け込んだハラスメントになります。
おわりに
今回は、職場で起こりうる25のハラスメントについて紹介してきました。
職場で起こりうるもにに限定しても、こんなにもたくさんのハラスメントが溢れているんです。
中には「そんなことも?!」と思うものもあるかもしれませんが、自分にとって些細なことでも被害者からするとかなりのハラスメントになっている場合だってあります。
自分がハラスメントの加害者にならないためにも職場で起こりうるハラスメントに対して理解を示し、被害にあっている人がいれば積極的に対策していけると良いですね。