パワハラやセクハラなど、「〇〇ハラスメント」で悩んでる人って多いですが、中でも最近増えてきているのが、職場での陰湿なモラハラ。
職場でのモラハラで悩んでる人は多いため、ちゃんとモラハラについて相談できる相談窓口も用意されています。
そこで今回は 職場でのモラハラの特徴と、モラハラを受けたときの対処法と相談窓口について紹介していきたいと思います!

気づかないうちにモラハラの加害者になってることも多いので、最後まで読んでみてください。
まず、モラハラとは
Moral harassment を直訳すると「道徳的嫌がらせ」という意味になります。
職場でのモラハラとは、言葉や態度で相手の人格や尊厳を傷つけたり、追い詰めていく精神的ないじめや嫌がらせのことです。
会社でのモラハラは業務上の指導と区別がつきにくく必要に繰り返されるため、職場の雰囲気を悪くしたり、被害者が職場を辞めざるを得ない状況に追い込まれることもあります。
また、肉体的な暴力などとは違って、言葉や態度で行われる精神的な暴力なので見た目ではわかりづらいので、一人で悩んでしまうことが多く、鬱の原因などにもなります。

ちなみに、似たようなもにに「パワハラ」がありますが、パワハラは「上司 ⇒ 部下」というように力関係を利用したハラスメントで、モラハラはそのような力関係がないハラスメントなんですよ。
実際に職場でモラハラを受けている人の声

モラハラの加害者は気づいてないことが多いですが、被害者は相当きつい思いをしてるんですよね。
職場で起こりうる!モラハラの特徴3つ
職場で起こるモラハラの特徴①
職場で孤立させる
職場で起こるもので最も多いのが、被害者を孤立させるというモラハラです。
それには以下のような4つの事例があります。
事例1:
無視・仲間外れにする

〇〇さん、これお願いしても良いですか?

・・・(無視)
無視されるのもモラハラなんですよ。
また、仲間外れにされる場合もあります。

よし、これからみんなで飲みに行こうか!

いいですね!行きましょう!

あ、悪い。××さんと△△さんの3人で行くことになってるんだ~ごめんね。
スムーズに仕事を進めるには、スタッフ同士の円滑なコミュニケーションが求められます。
でも、職場でのモラハラは「話しかけられても聞こえないふりをする」「コミュニケーションに参加しようとすると露骨に嫌がられる」など、無視や仲間外れといった嫌がらせが繰り返されるのです。

こういった積み重ねによって、職場での人間関係を制限し、被害者を孤立させることが職場でのモラハラの特徴です。
事例2:
呆れたようにため息をつく

これは〇〇ということですか?

(はぁ…)そんなこともわからないの?

この仕事について教えて欲しいのですが

はぁ…人に聞く前に、もっと自分で調べたら?
例えば、新しい職場で右も左もわからない状態なのに、質問するとあからさまにため息をつかれる。
そして、すかさず疑問形の言葉を返されたり、「いや、そうじゃなくて…」「だから~」など、話を遮られて最後まで聞いてもらえないというケースもあります。

このようなことが続けば、誰だって話をしたくなるのは当然のことですよね。
事例3:
馬鹿にしたような視線・冷笑
モラハラは決して上司⇒部下という力関係だけでなく、逆のパターンもあります。
例えば、上司が部下たちに向かって、

おはよう!

…(冷笑)おはようございます

この前の仕事がんばったな!

(馬鹿にしたような視線で)そ、そうですね
部下たちに冷笑や馬鹿にしたような視線を繰り返されると、いくら上司の立場でも「何か悪いことしたかな…」と悩んでしまいますよね。

このように部下⇒上司に対する嫌がらせも、職場のモラハラにあたります。
事例4:
陰口で誹謗中傷する

ねー知ってる?あの人最近~

えー?!ほんとですか?ありえない!だからあの人、いつも1人なんだったんですね~
あからさまにこちら(被害者)をチラチラ見ながらこんな会話を聞かされたら、誰しも誹謗中傷されていると悩んでしまうのは当然です。

悪口を言われて気分の良い人なんていませんよね。
職場で起こるモラハラの特徴②
仕事ができないようにする
仕事ができないようにして、職場に居辛い状況をつくるという陰湿なモラハラもあります。
事例1:
必要な情報を与えない

何やってたんだ!もう会議は終わったぞ!

えっ…、会議の話なんて聞いてませんが…

なんだあのレポート!〇〇の資料からどうやったらあんなレポートになるんだ!

えっ…、資料など頂いてません…
同僚や部下が必要な情報を与えない、必要な資料を渡さないといった、子供じみたモラハラにあった人もいます。

子供のいじめが問題になることがありますが、モラハラも大人のいじめなんです。
事例2:
能力以下の仕事ばかり頼む

ちょっと手が離せないからコピーしといて!

暇そうだな!お茶淹れてよ!
普段はコミュニケーションを無視してきたり、あからさまに仲間外れにするのに、明らかに能力以下の仕事だけ頼んでくる。
頼まれた時に「こっちも仕事が…」なんて断ると、その後の無視や仲間外れというモラハラが悪化したというケースも多いようです。
職場で起こるモラハラの特徴③
プライベートに介入してくる
事例:
プライベートへの介入
夜中はもちろんんこと、休日もおかまいなしに電話がかかってくることも…。

今日は彼女の誕生日だったよな?どっか行ってるのか?
趣味や家族のこと、休日の過ごし方を根掘り葉掘り聞きだした上で批判してくる、なんてこともありますよね。

休みの日は何やってるんだ?彼女とはいつも何して遊んでんの?
仕事と全く関係ないプライベートのことに介入するのも、職場のモラハラ行為です。
そのほか、休日はもちろん、時間外にまで電話が繰り返されたり、服のセンスやメイク、持ち物、恋人のことなども含まれます。
プライベートへの介入が度を越していると感じた場合もモラハラを疑いましょう。
職場でのモラハラへの対処方法
モラハラへの対処方法①
「5W1H」を明確に記録しておく

5W1H」とは、
- When(いつ)
- Whwre(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
のことで、これを明確に記録しておくのが大切です。
例えば、労働条件や労働環境に影響があったなら「降格された」「賃金カットされた」「サービス残業を強いられた」「解雇された」など明確に記録しておくことが重要!
これはメモ書き程度でOKで、重要なのは後程紹介する「言動の録音・メールの保存」を時系列で事実が確認できるようにすることが目的です。
モラハラへの対処方法②
モラハラでどんな影響があったのか記録する
モラハラが続けば精神面や身体面に影響が及びます。
例えば、モラハラが続いて会社に行くことが苦痛になった時、単純に「苦痛を感じた」のか、それとも「吐き気」「胃もたれ」などの症状があって治療をうけたのか、また「パワハラが原因でうつと診断された」など、状況によって事の大きさは違ってきます。

病院にかかった場合は、診断書をもらうことも忘れてはいけません。
モラハラへの対処方法③
明確な証拠を確保する

記録を残すのは大切ですが、最も重要なのがモラハラに関する証拠です。
モラハラ問題は、証拠がなければ望むような問題解決ができないのが現状なので、モラハラを疑われるような言動をボイスレコーダーに録音するのはもちろんのこと、業務終了後の電話の録音やメールなど、事実が確認できる証拠はできるだけ保存しておきましょう。
モラハラへの対処方法④
相談窓口に問い合わせる

モラハラの証拠が整ったら、まず、相談窓口に問い合わせましょう。
相談窓口❶
厚生労働省 総合労働相談コーナー
モラハラについてどこに相談したらいいかわからない場合は、まずは厚生労働省の「総合労働相談コーナー」を利用するのがおすすめです。
専門の相談員が電話での相談・面談を受け付けてくれます。(労働者・事業主どちらでも相談できます)
解雇や雇用止め、配置転換、賃金の引き下げなど労働条件に関する問題だけでなく、募集や採用、パワーハラスメントなどの労働問題に関するあらゆる分野について相談できます。
相談窓口❷
NPO法人労働相談センター
「電話や面談は敷居が高い」と感じるなら、メールでの相談も受け付けている「NPO法人労働相談センター」がおすすめです。
創設27年で信頼と実績がありますし、労働問題に適切なアドバイスがいただけます。
ただし、メールの返信には1週間程度かかる場合もあるようです。
相談窓口❸
法テラス
モラハラが深刻化していて時間的な猶予がないのであれば「法テラス」に相談するのがおすすめです。
法的知識をもとに、モラハラ問題解決へのアドバイスがいただけます。
問い合わせの内容に応じ、解決に役立つ法制度や地方公共団体、弁護士会や司法書士会、消費者団体など、関係機関の相談窓口を無料で案内してくれます。
相談窓口❹
かいけつサポート
話し合いなどで円満な解決を望んでいるのであれば「かいけつサポート」への相談がおすすめです。
労働関係紛争について公正中立な第三者(民間事業者)を紹介してくれます。
また、この第三者が当事者の間に入って、話し合いにより柔軟な解決を図るサービスを提供しています。
詳細:かいけつサポート一覧
相談窓口❺
法務省 みんなの人権110番 全国共通人権相談ダイヤル
さまざまな人権問題についての相談を受け付けている、相談電話サービスです。
モラハラやパワハラだけでなく、差別や虐待などの相談もでき、電話をすると最寄りの法務局・地方法務局に繋がるようになっています。
(メールでの相談も受け付けています)
詳細:法務省:常設相談所
相談窓口❻
こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
「こころの耳」では働く人や、その家族向けにメンタルヘルスに関する相談窓口や医療機関を紹介しています。
モラハラで精神的に追い詰められた場合、こちらで心のケアに関する相談をしてみるのも良いでしょう。
詳細:専門相談機関・相談窓口
おわりに
今回は、職場でのモラハラの特徴と、その対処法や相談窓口について紹介してきました。
職場でのモラハラは「仕事だから」と言い聞かせてついつい我慢してしまいがちですが、我慢していては悪循環に陥るばかりです。
会社でのモラハラで困ってる場合は、自分を守るためにも今回紹介した対処法をぜひ試してみてください。