上司から繰り返し暴言や嫌がらせの言葉を浴びせかけられ、仕事にいくのが憂鬱…というように職場のパワハラで悩んでいる人は少なくありません。
「パワハラじゅない?」と誰かに言われるまで気づいてなかったという人も多いのでは?
パワハラに悩まされる人はとても多く、大きな問題となっています。
そこで今回は 会社でのパワハラの7の特徴と9の対処方法について紹介していきたいと思います!
パワハラの特徴を知り、対処法を実践することで自分や大切な人を守っていきましょう!
パワハラとは
パワハラと似たようなもので「モラハラ」がありますが、2つの違いは力関係の利用があるかどうかです。
パワハラは主に職場内で上司などがその優位な立場を利用し、部下などに精神的・肉体的な苦痛を与える行為のことを言います。
一方でモラハラはパワハラと違い、仕事上の力関係を利用せずに行われる精神的暴力や嫌がらせのことです。
- 上司からの嫌がらせ → パワハラ
- 同僚・部下などからの嫌がらせ → モラハラ
職場でパワハラを受けている人の実際の声
職場で起こりうるパワハラの特徴と事例7つ
職場でのパワハラは、モラハラのような精神的な暴力に限らず、直接暴力に及ぶケースもあります。
また、モラハラと違って「教育」と称することができてしまうため、パワハラと教育の境界線が非常に難しいのが現実です。
しかし、以下のような特徴的な行為は職場でのパワハラとして認識して良いでしょう。
職場でのパワハラの事例①
暴言や嫌味などの精神的な攻撃

使えなね~やつだね

俺がお前だったら会社辞めてるよ

給料泥棒
パワハラで悩む約半数の人は、このような暴言を浴びせられる精神的な攻撃によって苦しんでいます。
人格否定はパワハラの典型的な特徴で、他にも以下のようなかたちで攻撃がなされます。
- 同僚の前で失敗やミスを必要以上に叱責したり怒鳴り散らし、罵声を浴びせる
- 有給休暇を認めない→被害者にとって意味のないタイミングで休暇を促す
- 仕事に必要な情報をあえて曖昧に伝える→ミスがあれば必要以上に責める
職場でのパワハラの事例②
実現不可能(または困難)な要求・仕事の妨害

今月の売り上げが前年の売り上げを上回らなかったら、もう来なくていいから

明日までにプレゼン資料をまとめておいて
そろそろ終業時刻になるというのに、突然「この資料明日までにね!」と仕事をふられる。
このように、とても実現困難だったり、明らかに不可能な要求をしてくるのもパワハラの特徴です。
達成できなかった時には「役立たず」「辞めたら?」といった攻撃がプラスされることも。
職場でのパワハラの事例③
コミュニケーションを遮断する
- 被害者のあいさつだけを無視する
- 会社の飲み会・イベントに誘わない
- わざと業務連絡をしない
パワハラには、このような「小学生のいじめか?」と思えるほどの嫌がらせもあります。
また、「あえて仕事を教えない」「仕事場を隔離する」というケースもあるようです。
職場でのパワハラの事例④
容赦なくプライベートに立ち入る

今度の休みゴルフに行こう!

花見に行かないか?
という誘いがあった時に、すでに用事があったので誘いを断ると…

お前はもう二度と誘わない

部長も来るっていうのに、お前は来ないんだな
など悪態をつかれ、その後も露骨に嫌な態度で接してくる。
仕事上全く関係のないプライベートのことに立ち入るのもパワハラの1つです。
他にもプライベートについて批判されたり、終業後に電話やメールがきたり、呼び出すというのもパワハラになるでしょう。
職場でのパワハラの事例⑤
能力以下の仕事ばかり命じる

掃除しといて

暇ならお茶淹れて

これコピーしといて
などなど…
本人の能力やキャリアを一切無視し、本来やるべきでない仕事を与えられたり、仕事を与えないという行為もパワハラになります。
例えば、長年営業職をしていたのに、突然電話番やトイレ掃除などの仕事を任されることもあります。
職場でのパワハラの事例⑥
暴言・障害
殴る、蹴ると言った直接の暴力はもちろんのこと、以下のような間接的な暴力もあります。
- 突然椅子を蹴る
- 床に被害者が飲んでいたお茶をばらまく
このような行為に正当性がないことは明らかなので、否定のしようがないパワハラです。
職場でのパワハラの事例⑦
嫌そうにため息をつく

〇〇さん、これはどういうことですか?

はぁ…これは〇〇だろ?そんなこともわからないのか?
わかりやすくため息をついて、すかさず疑問形の言葉が返される。
また、会話の途中で「そうじゃなくて」「だからさ~」などと話を遮られるケースも多いです。
職場でのパワハラへの対処方法
対処法①
「5W1H」を記録しておく
パワハラの被害にあっていることに気付いたら、まずは以下の「5W1H」を明確にしましょう。
- When「いつ」
- Where「どこで」
- Who「誰が」
- What「何を」
- Why「なぜ」
- Who「どのように」
5W1Hを明確にするとき、「いつ、どんなことがあったのか」を記録することが大前提になります。
例えば、労働条件や労働環境への影響なら
- 降格された
- 賃金をカットされた
- サービス残業を強いられた
- 解雇された
などを明確にして記録しておくことが重要で、5W1Hはメモ書き程度でOKです。
重要なのは、後程紹介する「パワハラ発言の録音やメールなどの証拠を、時系列で事実確認できるか」ということが目的だからです。
対処法②
パワハラによってどんな影響があったか記録する
パワハラが続けば、誰しも精神面・身体面に影響が及ぶでしょう。
その場合、パワハラによって「どんな影響があったのか」ということも記録しておきましょう。
例えば、パワハラが続いて会社に行くのが苦痛になった場合。
単純に「苦痛を感じた」のか、「吐き気」「胃もたれ」といった身体的な症状があって治療を受けたのか、もしくは「パワハラが原因でうつと診断された」など、状況によって深刻さも大きく違ってきます。
病院に行った場合は、診断書をもらうことも忘れないようにしましょう。
対処法③
証拠を保存しておく
記録をすることも大切ですが、最も重要なのパワハラの証拠。
パワハラ問題は、証拠がない限り被害者が望むような問題解決ができないのが現実です。
パワハラらしい言動はボイスレコーダーで録音するのはもちろんのこと、業務終了後の電話を録音したり、メールを保存するなど事実確認できる証拠はできるだけ保存しておきましょう。
対処法④
相談窓口に相談する
パワハラの証拠が揃ったら、以下に問い合わせて問題解決へと踏み出しましょう。
また、証拠がない場合でも相談できる窓口はあるので、1人で悩んでいる人も参考にしてみてくださいね。
相談窓口❶
厚生労働省 総合労働相談コーナー
パワハラで困っているけど、どこに相談したらいいかわからない。
という人は、まずは厚生労働省の「総合労働相談コーナー」を利用してみてください。
専門の相談員が電話や面談で相談を受け付けてくれます。
(労働者、事業主どちらでも相談することができます)
この窓口では、パワハラだけでなく解雇や雇用止め、賃金の引き下げ、配置転換などの労働条件の問題も含め、労働に関するあらゆる分野の相談ができます。
相談窓口❷
NPO法人労働相談センター
「電話や面談は敷居が高い」と感じる場合は、メールでの相談も受け付けている「NPO法人労働相談センター」に相談するのがおすすめです。
この窓口は創設27年の信頼と実績がありますから、パワハラ問題にも適切なアドバイスがもらえるでしょう。
ただし、メールでの問い合わせは返信に1週間ほど時間がかかるケースもあるようです。
相談窓口❸
法テラス
パワハラが深刻化していて時間的な猶予がない場合は、「法テラス」に相談するのがおすすめです。
法的知識を用いて問題解決へのアドバイスをしてくれます。
問い合わせの内容に応じ、解決に役立つ法制度や地方公共団体、弁護士会、司法書士会、消費者団体など、関係機関の相談窓口を無料で案内してくれます。
「困っているけどどこに相談したら良いかわからない」という人も、法テラスに相談してみたら意外な解決方法が見つかるかもしれませんね。
相談窓口❹
かいけつサポート
話し合いなどで円満にパワハラ問題を解決したい場合は、「かいけつサポート」に相談すると良いでしょう。
労働関係紛争において、公正中立な第三者(民間事業者)を紹介してくれます。
ここで紹介してもらった第三者が当事者の間に入って話をすることで、円満にトラブルを解決を図るサービスを提してくれます。
詳細:かいけつサポート一覧
相談窓口❺
法務省 みんなの人権110番 全国共通人権相談ダイヤル
この窓口は、名前の通りさまざまな人権問題についての相談を受け付けている相談電話サービスです。
電話をかけた場所の最寄の法務局・地方法務局に繋がるようになっていて、パワハラやモラハラだけでなく、差別や虐待などの相談ができるようになっています。
詳細:法務省:常設相談所
相談窓口❻
こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)
「こころの耳」は、働く人やそのご家族に向けにメンタルヘルスに関する相談窓口や医療機関を紹介しています。
「パワハラやモラハラなどで精神的に追い詰められて辛い」
「証拠が揃ったわけじゃないけど話を聞いて欲しい」
という人は、まずは「こころの耳」で相談してみると良いでしょう。
詳細:専門相談機関・相談窓口
おわりに
今回は、職場でのパワハラの特徴とその対処方法について紹介してきました。
パワハラの加害者は、あくまでも教育や指導の一環でこのようなふるまいをしていることが多いため、被害者側もパワハラかどうか判断しにくく、「仕事だから」と割り切ってしまう人も多いようです。
しかし、社風や勤めている会社の雰囲気がどうであれ、今回紹介したような特徴や行動は明らかにパワハラになります。
パワハラでお悩みの方は、今回紹介した対処法を、自分の身を守るための方法として実践してみてください。